2022.7.1 | クリエイティブチーム・亀井
それはブランドによって靴の形状が違うからなんです。形が違えばサイズも変わる。同じブランドでもモデルやタイプが違えば大きさも様々。では、何を基準にサイズを選べばいいのか?
大切なのは靴のサイズではなく、自分の足のサイズです。
基準となる足のサイズを知れば、サイズへの不安が新しい靴への楽しみに変わります。サイズ選びが難しい革靴でも安心です。経年変化後のフィット感まで想像できるようになると、手にした瞬間からワクワクが始まってしまいます。
この記事では以下の3つの項目に分けてお話させて頂きます。
①自分の足のサイズを知る
②靴のサイズ選び
③足の種類別のフィッティング
この記事を最後まで読んでいただければ、当店での靴選びで迷うことはなくなるかと思います。ぜひ最後までお付き合いください。
①自分の足のサイズを知る
自分の足のサイズを知るために必要なのは3点。足の長さである「足長」。足の幅である「足幅」。足の周囲である「足囲」。まずはこれらを計測するために足が収まる大きさの紙とメジャー、加えて定規とペンを用意します。
それでは、まずは足長から。
足が入る大きさの紙に写真のような十字線を引きます。踵の一番出っ張っている部分を十字線の重なっている部分に合わせ、足の人差し指を縦線の上に合わせます。次に足の指の一番長い部分に横線を引きます。この時に引く横線は縦線に交わる位置まで引いてください。横線と縦線が交わった部分から、最初に踵を合わせた十字線の重なり部分までの長さが足長です。
ちなみに計測した私(亀井)の足長は25.4cmで、成人男性の平均程度の大きさです。
次に足幅です。
先ほどの使用した紙をそのまま使用します。足の内側・外側の、それぞれ一番出っ張った部分に印をつけます。この印から印までの長さが足幅になります。私の場合は親指の付け根、小指の付け根が出っ張った部分でしたが、ここは人によって異なる箇所なので、自身の足を一度確認してみてください。
私の足幅は10.7cmで、こちらも成人男性の平均よりも少し広めです。
最後は足囲です。
足の内側・外側の、それぞれ一番出っ張った部分を通るようにメジャーで囲い、一周巻きつけて長さが足囲です。
私の足囲は25.8cmで、こちらも成人男性の平均程度の大きさです。
これで自分の足の全体像が分かるようになります。
各アイテムのページにはスタッフのサイズ感を記載しています。足長、足幅、足囲と、普段のスニーカーのサイズと各アイテムごとに適正サイズも記載していますので、是非ご参考ください。
自分の足のサイズが分かったら、次は靴のサイズ選びが始まります。
②靴のサイズ選び
靴のサイズ選びで大事なのは3点。
・足長を確保する
・足幅でフィット感を決める
・踵周りで歩行時の歩きやすさを選ぶ
まずは「足長を確保する」ところから。まずは靴に足が入ること。ここで足長が目安になります。測った自分の足長と同じ科、それより大きいサイズの靴を選びます。
※靴下の厚みに気をつけましょう。通常の厚さのソックスと厚手のソックスでは、1cm近くもサイズが変わる場合があります。季節の変わり目で靴下の厚みが変わり、靴のサイズ感も変わってしまうなんてこともあります。自分が普段どんな厚さの靴下を履くかを想像しながら靴選びをすると、より理想の履き心地に近づけます。
次は「足幅のフィット感で決める」ところです。
足は入るけど窮屈だったり、反対に緩かったりし過ぎるのは辛い。検討している靴の横幅が狭いのか広いのかで選ぶサイズも変わります。QATARIでの取り扱いアイテムで例えると、モデルにもよりますがPATRICKは横幅が少し狭めのものが多く、YOAKは幅が少し広めのものが多いです。普段のスニーカーのサイズがFR41(26.5cm)の私でも、PATRICKの場合はFR42(27cm)になったり、YOAKの場合はFR40(26cm)になったりと、ブランドやモデルによってサイズ感は様々です。
靴の横幅が自分の足より狭いなら、選ぶサイズを大きくしてフィット感を変えていきます。
最後に「踵周りで歩行時の歩きやすさを選ぶ」ところ。
長さも横幅もいいのに、踵回りが緩いと靴擦れを起こしやすくなります。ホールド感がないと踵と靴の間に隙間が生まれ、その状態で長時間歩き続けると摩擦で靴擦れを起こす場合があります。履いた時に踵にフィットしているか?くるぶしへの干渉がないか?など、自分の足の特徴を知って選ぶ必要があります。
※上の写真はかなり隙間が空いてしまっている例です。この状態で履き続けると靴擦れを起こす可能性があるので、サイズ交換をオススメします。
実際に靴を履いて購入できれば何も心配はいりませんが、試着ができないwebでの購入の場合は、ぜひQATARIのスタッフのサイズと比べて選んでもらえればと思います。自分の好みがタイトめなのか、緩めが好きなのかが分かっていれば、より心配はなくなります。
それでも不安であればお気軽にお問い合わせください。可能な限りお好みに合わせたサイズをご提案いたします。
では、最後はタイプ別のフィッティングと靴の調整方法です。
③足の種類別のフィッティング
よりシビアなフィッティングを考える時に役立つ足のタイプ。
・ギリシャ型
・エジプト型
・スクエア型
この3つに分かれています。
選びたい靴のつま先の形状がラウンド(丸みがある形状)しているのか、スクエア(角張った形状)しているのかで、自分の足タイプとフィット感が想像できます。理想は自分の足タイプと同じような形状の靴ですが、それを見つけるのはなかなか難しい。ブランドごとに基準とする足の形が異なるため、完璧なフィット感というのはオーダーメイドでない限り実現するのは簡単ではありません。
そこで靴のサイズを調整する方法です。
私の足タイプはギリシャ型ですが、つま先がスクエアの靴を選ぶとき、サイズを大きくしないと人差し指が靴に当たってしまいます。大きいサイズにすると長さも幅も大きくなるのでゆとりができてしまいます。私の足幅が少し広めで、それが理由で大き目のサイズを選ぶこともあります。
そこで誰でも調整可能な方法も靴紐を締めることです。
多少大きめのサイズを選んだとしても、靴紐を締めるだけでフィット感がよくなります。歩行に支障が出ない程度であれば、大き目のサイズを検討してみてもいいかもしれません。
足長に比べて小さい靴の場合はどうしようもありませんが、足長よりも大きいサイズの場合は、大抵は靴の締め具合でなんとかなります。
もう一つ靴の調整が必要なのが、くるぶしへの干渉がある場合です。
くるぶしの位置が低いとお悩みを聞くことがあります。足長も足幅もフィットしているのに、くるぶしが履き口に当たって痛い、そんな時に役立つのがインソールです。靴の中にインソールを入れるとくるぶしの位置を高くすることができ、履き口への干渉を減らすことができます。
もう一つインソールが効果を発揮するのが靴内に余裕があるときです。紐を完全に締めきっても靴の中で足が動くときは、インソールを入れることでフィット感を上げることができます。
靴選びにルールはありません。ただ、ご紹介した方法で靴の悩みが少しでも減って、愛用できる靴との出会いが少しでも増えれば嬉しい限りです。
Y.KAMEI